思いでのリコーダー シン・ツグル コミック幻羅（大洋図書）2001年12月号 　某マンガ家さんから送っていただいたネタである。 　ある日の放課後、大介が忘れ物を取りに教室に戻ると、無人のはずの教室に、クラスメイトのメガネっ娘・葉山里香がいた。大介がこっそり見ていると、彼女は大介のリコーダーでオナニーをはじめる。そこに教師の足音。大介はとっさに教室に飛びこみ、里香といっしょに掃除用具を入れるロッカーの中に身を隠す……。

　そう、これは第６回トンデモ本大賞受賞作、松平龍樹『発情期ブルマ検査』第１章のパクリなのだ！
　とりわけそっくりなのが、教師が去った後、２人がロッカーから出てくるシーン。（下）

「思いでのリコーダー」	『発情期ブルマ検査』40ページ

「見たンでしょう？」→「見たでしょ!?」
「いいのよ、大好きな直旗クンになら見られたって」→「…いいの…大介くんになら…見られても…」

　と、かなり原作に忠実であることがお分かりだろう。
　その他にも、「まだ誰かいるのか!?」「誰もいないか…」という教師の台詞（原作では「誰かいるのか？」「誰もいないか……」）など、偶然だとしたら恐るべきシンクロニシティである（笑）。
　もっとも、違う点もある。原作ではこのシーンで２人がするのはフェラまでなのだが、マンガでは本番まで行ってしまう。
　最大の相違点はヒロインの性格。『ブルマ検査』の静音ちゃんは優等生でバリバリのオタク少女、外見は控えめだが、実は小悪魔的性格で、主人公の直旗を積極的に誘惑し、翻弄する。そこが『ブルマ検査』の最大の魅力だったのに、このマンガのヒロインは（メガネっ娘という点は同じだけど）ごく普通の内気な少女にされてしまっているのだ（内気な女の子が教室でオナニーするか!?）。
　これはやっぱり原作の改悪だよなあ……。

　また、僕が入手したコピーには、送ってくださった方による赤ペン添削が随所に入っている。

「何か走るポーズ、へん」
「『そこで僕が見たのは……』といいつつ、上のコマでネタばらししてしまっているのは、演出的にはサイテーですね」
「右手の指、ヘン」
「テンプレートを使いましょう」
「左ページ１コマ目、４コマ目のモノローグは要りませんね、フツー」
「スクリーントーンはちゃんと削りましょう」
「効果線、汚いっす（笑）」

　いちいちごもっとも。そう、これは純粋にマンガとして見ても下手な作品なのである。

　とどめは目次ページに載っていた作者のコメント。これにはあきれた。

　てめえ、何のダイジェストだあ〜っ!?（笑）