おすすめ南京本

●稲垣大紀『25歳が読む「南京事件」　事件の究明と論争史』（中央公論事業出版）
　最近出た本だが、初心者に入門編としておすすめの１冊。事件の全容と日本での論争の歴史が手際よくまとめられている。「まぼろし派」としてスタートしながら、右にも左にも偏らないフェアな態度が貫かれ、好感が持てる。

●岩田勇治編集翻訳『資料　ドイツ外交官の見た南京事件』（大月書店）
　事件当時の南京にいたドイツ人外交官たちが書いた多数の報告書を収録。他の記録を裏づける一次資料のひとつとして貴重。

●小野賢二・藤原彰・本多勝一編『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』（大月書店）
　いわゆる「幕府山の虐殺」に関わった山田支隊の兵士たちの日記。

●秦郁彦『南京事件　「虐殺」の構造』（中公新書）
　1986年に出た本で、その後の発見によって否定された部分もあるものの、初期の労作のひとつとして目を通しておきたい一冊。

●『南京事件の日々　ミニー・ヴォートリンの日記』（大月書店）
　金陵女学院の教師ヴォートリンが書き記した生々しい日記。当時の南京の混乱した状況、彼女の周囲で続発する悲惨な事件の数々が語られる。


●『南京戦史』『南京戦史資料集』（偕行社）
　この道の研究に不可欠な資料。当時の将兵の日記が多数収録されている。
　非売品なので古書店で検索してみたいただきたい。

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